戦国ジャズ、曲紹介の儀。

戦国ジャズの詩曲解説ブログになります。

【戦国ジャズ】ひとつ命 [桑名吉成]

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未明におはようございます。柏木白泥です。

 

今日は、大坂夏の陣についての。

幕府方、藤堂家にて居られた、桑名吉成さまが詩曲を。

 

この曲を描くにあたり、

メロディーが浮かばないほどの悲しみを、

柏木は享けました。

 

なので、ポエトリーリーディングにてのお届けです。

 

詩は最後に載せるのですが、

「藤堂の者として生きよ」ということば、

それに本作の転機を預けました。

 

藤堂高虎さまから頂いた言葉、として、

作中で描いたのですが、

その言葉には、きっと、

徳川家中の藤堂家、その棟梁として、

目いっぱいの引き立て、戦国の世なりの善意、

つまるところ、武士としてのやさしさ、

そういったものを込めてあります。

 

自分で聴きなおすと、

本当にこの優しいイントネーションがよく耳に残り、

同時に心を刺しにきます。

 

かたや、桑名さまの人生をお借りし、

柏木は、作品に、何を宿したか。ということ。

 

それは、おそらく、

優しさを浴びることで、

よみがえってしまう本意、のようなものがある、

 

ということであったように、思うのです。

 

前半の語りで、

充分に徳川方につく利も、理も、描き切りましたし、

桑名さま自体が、関ヶ原にて義や恩は返した、

そう仰っている、というとも聞き及びます。

 

「藤堂の者として生きよ」

その言葉が本当にあったかは、

わかりませんが、似たようなことはあったでしょう、

先陣を承り、対峙することになるのは、

 

かねての主家、長宗我部家。

 

後のことは、作品と、

明らかになっている歴史的背景から感じていただければ、

と、そんな風に思います。

 

最後になりますが、noteと、bandcampでフリーダウンロードを始めました。

宜しければ、持ち歩いてお聴きください。

音質もそれぞれ、すこしちがう。

 


rainorkinai.bandcamp.com

 

note.com

 

いずれ、サブスクで、

長宗我部9将からなるアルバム、

「南海夢一領(なんかいのゆめひとそろえ)」

として公開いたしますので、それまでの期間をお待ちいただけたら、と。

 

最後に。

よみがえる情操がある。

それは、時として哀しいことです。

 

 

ひとつ命 作詞・作曲 柏木白泥

 

関ヶ原の後の改易

致し方なき仕儀と覚ゆ

勝ち負けの世に生き

そしてやがて死を迎う

 

保つべき意地の在り処

命を抱えながらのこと

世に和がもたらされる

行く末を見通すもまた力

 

糊口を凌ぐとの言葉

翻せば食わねば生きられぬ

沽券を保ちながらに

生き死にを選べる刻は過ぎ

 

腹の底に吹き溜まる

黒にも白にも見えぬ想い

安らいだ日々を生きたがる

魂の叫び声に似るもの

 

戦乱を仕舞うための戦

先陣はある意味では目算

藤堂の者として生きよ

その機と意を謹んで承る

 

古き輩の罵声に気付く

裏切りとうて裏切るものが

武士と生きられようものか

怒りより悲しみが先に立つ

 

を忍んで生きる

我らが身にはよう応えたわ

今こそ強きを捨て去り

天下の敷石と成らん